・基肥および追肥のタイミングで可変散布マップを提供(下図)
・衛星画像またはUAVによる観測画像よりマップを作成
・生育不均一性の変化抽出の実施
・巡回見回り回数の削減に資するよう植生活生度マップを提供
・事前ヒアリングにより可変散布の仕様を決定(トラムライン等可変散布の効果が薄い箇所は、可変散布の対象外とした)。
・散布量設計については、施肥量の段階決定(多、中、小)とした。
・可変散布マップについては、水稲、豆、小麦に対して32回の提供を行った。
可変散布マップ提供数
新田農場 | 14 |
倉田農場 | 4 |
濱本農場 | 10 |
道下一記 | 4 |
計 | 32 |
植生活性度マップ提供数
新田農場 | 18 |
倉田農場 | 19 |
濱本農場 | 18 |
道下一記 | 23 |
計 | 78 |
【道下農場移植水稲】
【倉田農場移植水稲】
○移植水稲について、慣行区と施行区では可変散布を行うことでNDVI値の分散が小さくなっているため、不均一性が改善されていると判断。
○達成目標の巡回、生育確認の人的作業時間30%削減については、 「水田水位・水温情報収集」での巡回回数削減への貢献を行った。収量・品質の向上10%については、 「可変散布による資材投入」での可変散布マップ作成のベースとなる圃場内NDVI値の計測において貢献し、また、施肥量決定時の参考とした。
○生育ムラの解消は確認できたが、一部、収量の向上に結びつかなかった圃場もあるため、その要因を検証し、収量の向上への貢献を確かなものにする。
○植生活性度マップや可変散布マップは、他の作物への適用可能性がある。他の作物を対象とした利活用の検討を実施することで、多くの栽培作物の生育ムラが解消すると考える。
○衛星によるデータ収集は、広範囲の地域が対象である。本技術を近隣の農家にアピールすることで、多くの地域での利用を促し、生育ムラの解消の対策効率が上がることを期待する。
○事業終了後も本実証については、岩見沢市が独自予算によりUAV、人工衛星による可変散布マップ提供及びこれによる効果の測定を行うこととしている。また、参画機関であるスマートリンク北海道では、可変散布機を保有していない農家向けに資材散布用UAVを用いたスポット散布による可変散布の実施を中小企業庁予算で進めることとしている。今後も普及啓発とも併せて、継続して行う予定であり、達成目標に対しての分析・検証を行っていく。