【表 使用自動運転トラクタ諸元】
生産者 | メーカー | 型式 | タイプ | 馬力 |
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新田農場 | ヤンマー | YT5113A | ハーフクローラ | 113 |
濱本農場 | ヤンマー | YT5113A | ハーフクローラ | 113 |
倉田農場 | クボタ | MR1000A | ハーフクローラ | 100 |
道下農場 | ヤンマー | YT5113A | ホイル | 113 |
各農場取組内容 | |
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新田農場 | ○ ロボットトラクタを稼働している間、隣接圃場にて他の作業を実施( 刈取作業が終了した圃場から随時、無人走行により心土破砕作業を実施:協調作業)
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倉田農場 | ○ ロボットトラクタを稼働している間、隣接圃場にて他の作業を実施(5月6日は隣接圃場で基肥散布、5月18日は隣接圃場で代搔きを実施していたが、中途でロボトラが停止するため、作業を中断)
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濱本農場 | ○ ロボットトラクタを稼働している間、隣接圃場にて他の作業を実施(4月13日は畦畔の水漏れ確認作業の実施、4月24日は種籾準備作業を実施)
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道下農場 | ○ ロボットトラクタを稼働している間、隣接圃場にて他の作業を実施(圃場が湿潤であるため、同時並行により作業を断念し、圃場内の見回り作業を実施)
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※水稲圃場のみ記載(これに加え、小麦、豆、コーンでも計測を実施)
【表 実測値試算方法】
○ 慣行区での有人作業時間に対して、施行区で「ロボトラ等操作(タブレット操作等)+作業位置移動+外周作業=有人作業」として比較
【表 労働時間削減率(水稲作業のみ)】
〇 無人作業により、慣行に比べ対象作業について、倉田農場の一部を除き、目標値である30%の労働時間削減は達成された。
〇 倉田農場の労働時間削減率が低い理由として、圃場面積の問題がある。これは、クボタ社の無人走行マッピングにおいて、外周有人走行部分が4周程度とられ、無人走行面積が少なくなってしまうことが挙げられる。また、対象作業機が限定されることも課題となった。
〇 新田農場において、心土破砕作業は、水稲の刈取終了圃場から随時、隣接圃場にて無人走行により作業を実施している(協調作業)。
〇 倉田農場において、並行しての肥料散布の実施や圃場内見回り(畦畔、除草など)の実施を行っている。
〇 濱本農場において、水稲以外の作業において、ディスク、パラソイラーの協調作業を実施ししている。
〇 対象農家からは、水稲以外の耕起・整地作業が並行して実施可能となり、従来不可能であった刈取と耕起・整地の作業実施やロボトラ稼働時の他の作業を一人でできるようになるため、工程を詰める、特にGWの間断的な降雨が続いた時期に作業を完了することができたとの意見が出ている。
○他の作業を協調で行わない場合には、近隣農家より請け負う作業受託の量を増やすことが可能となり収益増につなげることができるとの意見が出た。
〇ロボットトラクタを使用した協調作業においては、1人の作業者が2台のトラクタを順番に圃場へ移動させるため、作業時間のロスや送り迎えをしてもらうなどの手間が多くなる。2台目を取りに行く移動時間を解消するためにロボットトラクタにおいて、有人トラクタの後を無人で追従していく機能を望む意見があった。
○ロボットトラクタを効率よく活用するためには、大区画圃場に対応するようリモコンの通信距離を延ばすなどの対応が求められる。
○農家が抱える問題として、農業機械の稼働率の低さがある。これは天候条件による所得差を減らすため、個人で農業機械をそろえる傾向があるためである。共同利用、共同作業を行うにあたっては、適期に作業が集中し、農業機械の手配が困難なことや離れた場所で利用するための搬送コストや搬送前後の掃除や整備にかかる時間的、労働的ロスも大きくなる。
これら問題を解決するためには、近隣地域の複数戸の農家で機械の共同利用組織を作り、全作業の協業化と得た収穫物をプール計算し、配分する事により利益を配分する仕組みを作ることが考えられる。
これにより、農業機械の稼働率向上によるロボットトラクタ等導入コストの削減、協業での複数オペレータによるロボットトラクタ移動等の労力軽減、悪天候条件下での作業をせざるを得ない農家に対する不利益を解消できるのではないかと考えられる。
![]() クボタ社製WRH1200A型2.6W |
【自動アシストコンバイン作業実績】 ・倉田農場において、自動アシストコンバインによる刈取作業を行った。 ・その他、新田農場大豆圃場および濱本農場大豆圃場での刈取作業の実施を行った。 ・新田農場においては、作物の乾燥が不十分だったため汚粒や豆殻の混入が多くなり、途中で中止となった。 |
・自動アシスト作業の割合は、小麦で57.0%、水稲で53.5%となった。
・収穫作業時には、主たる農業者が外周作業を行い、自動アシスト走行部分については、自身の息子を監視者として搭乗させ、本人はトラック輸送と乾燥機制御を行った(従来はアルバイトを雇用もしくは、応援として姉が対応)。